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墓石文字の汚れ?泥?その正体は蜂の巣!見えざる戦いがそこにある
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久しぶりに行ったお墓参りで墓石正面文字の中にドロ??
よく見たら蜂の巣の様なものが作られていたという経験はありませんでしたか?
墓石正面文字は深く彫っている場合がありますので、気を付けてみていると意外と多くの墓石で見る事が出来ます。
この泥は一体何?
自然に出来たものではないようだが?
蜂の巣なの?危険なのかしら?
巣を壊しているときに親蜂が戻ってきたら怖いかな?
などちょっと怖いですよね。
墓石文字の汚れ?蜂の巣内で行われている見えざる戦い
の記事をご覧いただきありがとうございます。管理人のセイクredと申します。
この記事では
墓石文字のドロ塊の正体はドロバチの巣
ドロバチの生態
美しき寄生蜂
の内容となっておりますので是非不安に思われている方は参考にしていただければと思います。
墓石文字のドロ塊の正体はドロバチの巣
このドロの塊はドロバチと呼ばれる蜂の仲間が作った巣です。
ドロバチ類にはスズバチやトックリバチがおり、見た目は黒と黄色の警戒色でいかにも危険そうな色をしています。
危険色は踏切や立ち入り禁止テープや警戒標識に使われているように注意を連想され、スズメバチなどの特に危険な蜂は皆黒と黄色をしています。
しかし以外にも積極的に人を襲う事は少なく、危険が迫った時に立ち向かうくらいで、それほど危険な蜂ではありません。
見分け方としては、異常にスリムなウエストを持っおり、
ボン・キュ・ボン
とモデル体型をした蜂ですので、見た目明らかにスズメバチとは区別できるはずです。
トックリ蜂でした#トックリバチ #ハチ #蜂 #昆虫#photography #ファインダー越しの私の世界 pic.twitter.com/eDFi5rbMza
— heihei (@2010_heihei) 2018年7月29日
ドロバチの生態
スズバチは巣の形が鈴に似て、トックリバチは巣がトックリに似ていることから名前がついているようです。
一般的に蜂と言われるとミツバチやスズメバチのように女王バチを中心に集団で巣を作りどんどんその大きさを拡大して行くのを想像すると思いますが、ドロバチの場合は単独行動で自分だけの巣を作ります。
主に家の軒下や欄干の下などなるべく雨が当たらない場所に巣を作ります。
お墓の場合、一番多いのが正面文字で特に彫りの深い部分です。お墓の文字はドロバチにとって巣営に向いた条件がそろっているのです。
- 文字部が自然な深さ
- 文字の大きさくらいがちょうどいい
- 三辺囲まれているので巣営が楽
1、墓石彫刻は力が入る「止め」の部分を深く彫るのでそれだけ広い部屋が確保できる
2、自然界でもドロバチは大きな巣は作りませんので文字部の大きさがベストマッチ
3、平面や2辺を囲まれた場所よりも、上、下、右(又は左)の3辺囲まれた場所の方がはるかに巣営が楽
以上の理由からお墓の文字に巣営するものと思われます。
巣の構造
ミツバチなどは大きな巣の中で女王バチが卵を産み、それを働き蜂がせっせと世話をし成虫に育てます。
しかしドロバチの場合は一切世話はしないのです。
ドロバチは巣を作り卵を生むと子どもの姿を見ることなく何処かへ去ってしまうのです。一見冷たい親に見えますが、実は考えに考えた子育てをしているのです。
巣営の際、芋虫やガの幼虫を探し、ブスリと麻酔を打ちこむのです。その芋虫を巣に何匹かを押し込みドロバチは産卵します。
そして出入り口を完全に塞いだのを確認してその場を立ち去るのです。
孵化したドロバチの幼虫は麻酔でマヒした芋虫を食べ成長します。やがて成虫になったドロバチは壁をあけ外の世界へと旅立ち種を残す為に自分も巣営をする事になります。
ドロバチの仲間は芋虫に寄生し食料として子育てする狩蜂なのです。
ミツバチやスズメバチに似た姿をしていますが子育て方法は随分と違うものなのですね。
そんな訳でドロ部に穴が開いているものはもうすでに成虫として穴から出て旅立った後なので、巣を壊しても何も出てこないので安心してください。
穴が開いていない巣にはまだ幼虫がいますので、次回のお参りの時にでも壊すようにしていただければと思います。
以上がこの記事で伝えたかった事となります。
最後までご覧いただきありがとうございました。
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とは行かないのが今回のお話です。
実はドロバチには天敵がいるのです。天敵のせいもあり厳重に巣を固めるのですが、その天敵が仲間のはずのハチなのです。
美しき寄生蜂
そのハチの名前こそ
セイボウ・・・・制帽ではありません。青い蜂でセイボウと言います。
英名でjewel wasps宝石蜂と呼ばれる美しい蜂です。
ほとんどの蜂は危険色と呼ばれる黒と黄色をベースとした体色をまとっているのに、このセイボウの仲間は皆メタリックブルーやメタリックグリーンをベースとした体色をしています。
どの様な理由でこのような体色をしているのかはわかりませんが、感じとしてはタマムシやカナブンの様な感じで見る角度によって色が変わります。
皆様はご覧になったことはありますか?
うちの青蜂さんが愛おしすぎて一日中ずっと眺めていたくなる… pic.twitter.com/Wc0SJqIyQZ
— うさこ (@DwU_UtM) 2018年10月13日
お客様より、「墓石文字に巣を作っているから何とかしてほしい」と依頼があり、見にいくとそのお墓の巣の回りを見たこともない鮮やかな色をした蜂が飛んでいました。
その頃私はセイボウの事を知りませんでしたのでてっきり、
墓石の巣を人間から守る為に飛んでいる
と判断し、危険と思いその場を一時退避しました。
しかしそれは大きな勘違いでした。
そのセイボウは巣を守っていたのではなくて、実は巣を攻撃していたのです。
寄生蜂に寄生する蜂
春や夏、山にハイキングに行くと時折聞こえてくるのが
「カッコウ・・カッコウ」
と鳴くカッコウですが、カッコウの子育ては、ヨシキリやモズの巣に卵を産みそれらの親にヒナをかえさせる行動をするのは有名です。
その行為を托卵と言います。
いち早くヨシキリやモズの卵より孵化し、親鳥が持ってくるエサを一人占めするためにまだ孵化していない本当の卵を下に蹴落とすのです。
これも一種の寄生ですが、セイボウもこれに似た行動をします。
ドロバチの巣には卵とその卵が孵化したときの食料である芋虫がそろっているので、そこに穴をあけセイボウが卵を産み付けるのです。
なんと姑息なと思うかもしれませんが、セイボウにしてみれば巣を作らなくていい訳です。
セイボウの幼虫がドロバチの幼虫を食べ、尚且つデザートの芋虫までいただき成長し巣穴から旅立つのです。
寄生蜂に寄生する蜂が宝石のような体色をまとった美しきセイボウなのです。
お墓の文字に巣があり、穴があったら中から成虫が巣立った証拠です。しかしそれがドロバチなのかセイボウだったのかは人間にはわかりません。
そんなお墓の文字にもこのような自然界のドラマがある事を頭の片隅にでも入れておいていただければと思います。
今度こそ以上がこの記事で伝えたかったこととなります。
最後までご覧いただきありがとうございました。
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