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墓石・墓誌文字彫刻で悩む享年と行年、数えと満の使い方の正解は?
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墓石建立の際、一番悩む事が多いのが、彫刻の文字の件です。
具体的にはお歳の所となります。
住職が付けてくれた戒名の年齢が2歳も上になっている・・何故?
享年と行年どっちが正しいの?
みんな言う事ちがうんですけど・・
才と歳の使い分けもわからない
などどうすればいいのかわからない場合があり、お悩みの方は多いのではないでしょうか。
この記事
墓石・墓誌文字彫刻で悩む享年と行年、数えと満の使い方の正解は?
をご覧いただきありがとうございます。
管理人で石屋のセイクredです。
この記事では
享年・行年の意味
数えと満
才と歳
墓石や墓誌に彫刻する場合は前の方に合わせる事が多い
これらの使い分けとどのように彫刻していいのかの記事となります。
普段お客様と彫刻の打ち合わせで一番気を遣う所であり、皆さんが一番わからない部分となりますので、疑問に思われている方は是非参考にして下さい。
享年・行年の意味
寺墓地の場合はその住職様が戒名(法名)をつける為、墓石の彫刻は享年か行年で統一されているはずですが、民営霊園や市営霊園などの墓石では享年と行年が混在しているはずです。
一体何故このような使われ方をされているのでしょうか?
同義語として使っている
一般的に
- 享年とは天から享けた期間を表す
- 行年とは何歳まで生きたかを表す
とされているようです。
しかし天から享けた期間ってどういう意味なのでしょうかね?
イマイチ漠然としており、わかりにくいですよね。
享年と行年は厳密に言うと若干違うのですが、
現代においては享年=行年
つまりあまり違いは無く、同義語と考えるのが好ましいのです。
戒名をつける住職様としては先代からの教えや宗旨の伝統、地域性などから享年か行年を用いるのです。
享年行年の考え方はそれぞれであり絶対ではない
お寺の檀家さんであれば当然そこの住職様は享年か行年かどちらか統一して使っているはずです。
「当寺では戒名付けの場合お歳の上には享年を使います。この享年は~~~~だから享年なんです。」
そう言われると檀家さんは
「あの物知りで立派なご住職様が言うのだからそれで間違いないんだ!それが常識に違いない」
と思いがちなのです。
これが曲者で、この解釈を人に押し付ける方が非常に多いのです。
例えば、他宗派のご近所さんのお墓参りに一緒に行ったときなど墓石に刻まれた彫刻を見て、
「歳の上に行年は間違っている。私はあの偉いお坊さんに聞いたのだから享年が正しいのよ。そんなの仏教上の常識よ!」
と一方的な解釈を押し付けます。
他の寺では
「お歳の上は行年が好ましい」
と言われる住職様もいらっしゃる為、
他方では「行年こそが正しい」となるのです。
どちらが正しい、間違えと言うものではないのです。
それぞれ考え方、解釈の違いであり、どちらでもいいのです。
享年と行年に関しましては絶対も常識もありません!
寿算なんてものもある
浄土真宗では享年、行年の代わりに寿算を使われるご住職様もいらっしゃいます。
一般的に長生きされた方に用いるとされていますが、これも明確ではありません。
主に浄土真宗大谷派が多いのですが、もちろん全ての大谷派の寺院が寿算を使っているわけではありません。
享年も行年も寿算もあるのです。
ここからもわかるように、享年も行年もそれぞれのご住職様のお考えなので、どちらでもいいのです。
数えと満
こちらも享年、行年と同じく数えが正しい、いや満が正しいとネット上でも議論が続き、混沌としています。
結論から申しますと、享年、行年と同じく
どちらでもいいのです。
どちらも間違っていません。
数えと満の違い
簡単に言いますと
数えは始まりが1
満は始まりが0なのです。
満ですと誕生日がくるまでは0歳で、誕生日がきて初めて1歳となります。これはごく当たり前のことですよね。
しかし数えは生まれた時にはすでに1歳で新年の1月1日がくるとプラス1歳となります。
ここから数えは満に+1するのが正しいと非常に多くの方が勘違いしているのですが、これは大きな間違いです。
正しい数えは
満に+1又は+2なのです。
わかり易く平成28年12月1日に生まれた人の満と数えの違いを表にします。
日付 | 満 | 数え |
H28/12/1 | 0歳 | 1歳 |
H29/1/1 | 0歳 | 2歳 |
H29/12/1 | 1歳 | 2歳 |
H30/1/1 | 1歳 | 3歳 |
これでわかるように、時期によってプラス1の場合もありますし、プラス2の場合もあるのです。
簡単な数えの算出方法としては
- 誕生日前は満年齢にプラス2
- 誕生日後は満年齢にプラス1
すればいいのです。
何故数えと満が混在
通常現代社会では様々な公的書類や各種申込みなど満年齢を記載します。
逆に数え年齢で記入する方は誰もいないはずです。
では何故仏事では満年齢と数えが混在しているのでしょうか?
法律の改正
そもそも日本では古くからずっと数えが使われてきました。
欧米では数えと言う概念は無く、アジアの日本や中国、朝鮮やベトナムなどの一部の地域のみで使われてきたものです。
明治時代になると世界基準である満に合わせる為、明治6年の「年齢計算方」で満を使うようされましたが、長年使い続けてきた数えを変えることは難しく、明治35年の「年齢計算ニ関スル法律」にて満年齢に一本化する事になったのですがそれでも、全面的に満年齢に統一することは難しかったのです。
それが第二次世界大戦終戦後の昭和24年に欧米の影響もあり、「年齢のとなえ方に関する法律」で公的機関での満年齢の使用が厳格化されたことにより、長い間使われ続けた数えは使われなくなった。
という訳には行かなかったのが仏事だったのです。
年回忌では現代でも数え
年回忌法要などで疑問に思われたことはありませんでしたか?
故人が亡くなった一年後は一周期法要を行います。
ところが二年目には二回忌とはならずに、三回忌法要となります。
これ自体が数えであり、仏事関係は数えが未だに使われ続けているのです。
長い歴史のある仏教ではずーっと数えを使っていたのに、欧米の指導だか何だか知らないが、日本の伝統、数えの歴史を急に変えろと言われても無理!
ということなのです。
歴史あるお寺では先祖代々おじいさんやひいじいさんの年齢は数えでやってきたのに、
あなたの代から急に満年齢にする?
おかしいだろ?
とお考えのご住職様がいる反面、
時勢に合わせ年齢は満に統一するのが妥当、と思われるご住職様もいるのです。
現代の若い人のほとんどが数え年齢の意味も言葉も知らない為、
「おじいちゃん七十歳で亡くなったはずなのになんで七十二歳?お坊さん間違ってね?」と不思議に思ったり、怒り出すのは無理もないことなのです。
ここでも考え方の違いで数えと満が混在することになっているのですが、享年、行年と同じく、数え年齢でも満年齢でもどちらでもいいものなのです。
好きなほうでいいのであって、どちらも間違いではないのです。
才と歳
こちらもどちらにすればいいのか相談される方が多い問題です。
才は才能や天才など持って生まれた資質や能力の事を言いあらわすのに対し、
歳は歳月や歳末など時間的な期間を表す言葉の為、年齢においては歳の方が好ましいのかもしれません。
才は三画であるのに対し歳は十三画もありますので、昔々墓石に彫刻する際には才の方が簡単で都合よかったのかもしれません。
以前に記事でも書いた
この才と歳も別にどちらでも間違いではありません。
墓石や墓誌に彫刻する場合は前の方に合わせる事が多い
享年、行年
数え、満
才、歳
どちらが正しいかまとめると、全てどれも間違いではなく、建立者の方が好きな方にすればいいと言う結論です。
墓石や墓誌に戒名彫刻をする際私は、前の方の彫刻に合わせるようおすすめしています。
しかしこのような例もあります。
民営霊園において、ずっと先代から行年で彫られていたのに、この故人だけは宗派が違い、偉い住職様に戒名をつけていただいたのでこの故人だけはご住職様の書いた通り享年にして下さいという場合はその方の意志を尊重し享年で彫ったりもします。
又、今後も拡大して行きそうなお坊さん便などでは破格の金額で戒名をつけていただけます。
このお坊さん便で戒名をつけていただく場合は毎回違うお坊さんになる場合がほとんどですので、前の故人は享年〇〇歳、今回は行年〇〇才となる場合も考えられます。そんな時でも墓石や墓誌彫刻の際は前の方に合わせた方がすっきりしています。
以上がこの記事で伝えたかった事となります。
墓石や墓誌の彫刻の事で、周りからいろいろ言われ気になり、この記事に辿りついた方もいるかと思います。
大丈夫です、どれにされても間違えではありませんので、ご自分が思う通りにされればいいのです。
私は毎週色々なご住職様にお会いします。
ある事案の質問を別々に二人のご住職様にしたところ、全く正反対の事を言われました。
「なるほど、考え方や解釈は違って当たり前で正解などないものなんだ。」と妙に感心、納得出来ました。
墓石彫刻の際に気を付けたいポイントの記事ですので是非ご覧ください。
最後までご覧いただき誠にありがとうございました。
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