献体は余っている?高齢化社会の日本で急増する理由とは

「俺は今まで一人で生きてきた」
と言われる方がいらっしゃいますが、人は一人では生きていけないものです。

海の孤島なら確かに一人で生きていかなくてはならないでしょうが、普通の社会生活を送るためには必ず誰かの世話になっているはずです。

  • あなたが通勤する電車は運転手さんが操作し安全に目的地に到着します
  • あなたのお使いのパソコンは何万点もの部材によって構成されています。
  • あなたの今手にしているコーヒーカップは誰かが作った物です。
  • あなたが食べた料理はそれぞれたくさんの人の手によって作られたものです。

それぞれ支え支え合って社会と言うものが成り立っており、社会活動する事によって知らずの間に社会奉仕をしているのです。そして人によっては死してさらに社会奉仕する事が出来ます。

それは献体です。

亡くなった後体を切り刻まれるのは嫌!

立派な社会貢献だ

葬儀費用とか全部賄ってくれるって聞いた

身内いないから献体すれば墓の用意をしなくていいよね

など献体に関する関心は年々増えている一方で、一部勘違いされている方が非常に多いようです。

献体は余っている?高齢化社会の日本で急増する理由とはの記事をご覧いただきありがとうございます。セイクredです。この記事では

献体とは

献体の流れ

献体の問題点

献体は余っている?

以上の内容となっていますので献体に対する認識を深めていただければと思います。

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献体とは

 献体とは、医学・歯学の大学における解剖学の教育・研究に役立たせるため、自分の遺体を無条件・無報酬で提供することをいいます。
「自分の死後、遺体を医学・歯学の教育と研究のために役立てたい」とこころざした人が、生前から献体したい大学またはこれに関連した団体に名前を登録しておき(「献体登録をするには」参照)、亡くなられた時、遺族あるいは関係者がその遺志にしたがって遺体を大学に提供することによって、はじめて献体が実行されることになります。
出典元:日本篤志献体協会

屍となった自らの身体を医療技術向上のために使っていただくという崇高なる考え方が献体です。

医学部と歯学部のカリキュラムには遺体解剖実習が組み込まれておりそれぞれ現在医師として活躍されている方々は献体と向き合って技術の向上を果たし、その結果我々は安心して医師に治療を任せる事が出来るのです。

「屍は活ける師なり」(シはイけるシなり)と言い、スーパードクターと呼ばれる方も最初は献体してくれた方々の体を解剖することによって紙面ではわからない本物の人体構造がわかり、自信と経験を積み、高度な技術を得て自信をもって手術に臨んでいるのです。

そのように考えると献体は人生最後の社会貢献と言えます。

期間

 献体されたのち、ご遺骨がご遺族に返還されるまでの期間は、大学によって差がありますが、普通は1~2年、長い場合は3年以上かかることがあります。これは、次のような理由によるものです。

  • 防腐処理等の解剖準備期間として3~6ヶ月くらいが必要です。
  • 実際の解剖学実習期間として通常3~7ヶ月ぐらいを必要とします。
  • 実習は大学ごとに決められた時間割によって行われるために、その年の実習に間に合わない場合には翌年の実習まで保管されることになります。
  • その他、おあずかりしているご遺体の数の状況によって返還までの期間がかわります。

 解剖学実習終了後、ご遺体は一体ごとに大学側で丁重に火葬し、ご遺骨をご遺族にお返しいたします。なお、いずれの大学でも、献体された方々のために、大学の公式行事として毎年慰霊祭が行われています。
出典元:日本篤志献体教会

この様に献体された方は2年~3年後に火葬されて戻ってきます。

献体の流れ

申込み先

献体の会又はお住まいの都道府県にある医科大学か歯科大学に問い合わせれば申込み書が届きますので内容をよく読み納得されたうえで署名捺印します。

申込みの際には必ず肉親の同意書が必要になります。あなたがどれだけ献体を望んでいても肉親が反対すれば献体は出来ないからです。
肉親とよく話し合いし献体への最大限の理解を求める事が大事です。

申込みすると会員証が発行され、そこには献体先の大学名と死亡時の連絡先が書かれていますので、出来るだけ身に着けておいた方が良いでしょう。

死亡時

献体希望者が亡くなった場合は肉親が会員証に書かれている連絡先に電話し、葬儀の日程を基に大学側と遺体を引き取るタイミングを相談します。

通常の方は通夜、葬儀の後に火葬場に向かいますが、献体の場合は火葬場ではなく大学に運ばれるのです。

献体が戻る

約2年~3年で献体期間を終え自宅へ戻ってきます。火葬は大学側で行ってくれますので、お墓がある方はお寺又は霊園と相談し納骨時期を決めます。

献体の問題点

納骨

献体から戻ってくるのが大体2年~3年です。亡くなった次の年が1周忌ですので、1周忌に納骨することはまず無理です。

その次の年が三回忌となるのですが、これにも間に合わない事が多いので献体の方の埋葬時期は献体から戻ってきた時となります。

納骨は通常回忌法要に合わせて行われるものですが、献体の場合回忌法要に合わせる事が難しいと言う事を御理解下さい。

献体の昔と今

約30年前は献体という言葉自体無く、解剖は残虐なる死体損壊行為とみなされる場合もありましたが、医学教育においては解剖学実習は必要不可欠でした。だが実習用遺体の確保が難しく身元不明者や引き取り人がいない無縁物故者に頼るほかなく実習用遺体は慢性的に不足していました。しかし1983年の献体法制定により大きな転機が訪れます。この法律より初めて献体という言葉の定義がされたのです。

1998年には献体登録者数が10万人を超え2015年には25万人にも達しています。
医学の発展にこれからの未来は明るいと思いきや、現在では別の目的で献体を希望する人が急増しているのです。

葬儀費用がタダ?お墓もタダ?

献体は通常通夜葬儀を行ってから火葬場ではなく大学関係者が遺体を引き取りにきて数年間の期間を経て大学側が火葬して遺骨を遺族へお戻しします。
これを、火葬はもちろん葬儀も大学側が行ってくれるものと勘違いされている方が多いのです。

そして大学によっては納骨堂がある所もあるので、身寄りのない人にとってはお墓の心配をしなくて済むと、献体本来の意義から外れた思いから登録される方がここ最近増えているのです。

その理由としては高齢化社会が引き起こす社会の仕組みの変化が原因と言われています。

高齢化によりどこの霊園でも無縁墓が増えています。少子化によりお墓を継いでくれる方がそもそも少ないためお墓があってもそこには納骨しないケースもあります。納骨しても数年後には無縁墓になる事が目に見えるからです。

最近では葬儀もせずに即火葬するゼロ葬なるものも増えてきています。身内に迷惑をかけたくないとの想いから出来るだけお金のかからない葬送を希望するからなのです。

その為亡くなった後葬儀もせずに即大学側に引き取りにきてもらい献体に出す。そして火葬して戻ってきた遺骨の受け取りを拒否する遺族もいるというのですから驚きです。

献体は余っている?

現代の葬送のあり方に疑問を感じ自分が亡くなった後の亡骸の心配をしたくないと思われる方々が今後さらに増えるものと思われる一方、大学側もこうした納骨堂目的の方の献体登録受付を断る場合も実際あります。面談の徹底によって献体本来の人生最後の社会奉仕を希望する方のみ登録するようになります。

お墓が無いから献体、身寄りがないから献体という純粋に医学界への貢献目的以外の考え方の人は登録を断られます

2015年の献体登録者数25万人に対し献体実行者数は12万人と約半数です。もっとも登録はしていても亡くならないと実行できないのでなんとも言えませんが、献体は今現在十分に確保できていると思われます。

大学側も献体を受け入れたら腐敗が進まぬようホルマリン処理などを行なったり献体終了まで遺体の管理もしなくてはならず火葬代なども含めると一体あたり数十万円かかることから無尽蔵に献体を受け入れる事は出来ないのです。

皮肉にも葬送の形の変化により献体希望者が増えたが、献体は余っているということです

まとめ

献体は医学界への人生最後の無償の社会奉仕であって、けっしてお墓や葬送問題の解消目的にしてはいけません。

以上がこの記事で伝えたかった事となります。

最後までご覧いただきありがとうございました。

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