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何故日本のお墓は御影石ばかりで大理石は使われない?
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石にもいろいろありますがおそらく多くの方が思い浮かべるものと言えば御影石と大理石なのではないでしょうか?
日本では墓石は御影石、キッチンや風呂で使用されるなどおしゃれで高級な感じを受けるのが大理石との認識が一般的だと思います。
ヨーロッパなどの外国では大理石のお墓は一般的なのに対し、日本国内では本当に稀にしか大理石のお墓を見る事が無いのは何故なのでしょうか?
御影石と大理石って一体何が違う?
大理石は高そうなイメージがあるから物が良い?
日本ではお墓=御影石は何故?
どうして日本には大理石のお墓が無い?
など疑問に思う事がいろいろあるかと思います。
何故日本のお墓は御影石ばかりで大理石は使われない?の記事をご覧いただきありがとうございます。セイクredです。この記事では
大理石と御影石とは
大理石で造られた歴史的遺産
大理石の特徴
日本人は恒久性を望む
どうしても大理石でお墓を作りたい
以上の内容となっております。知っているようで大理石と御影石との違いがよくわからない方はこの際スッキリ理解していただければと思います。
大理石と御影石とは
大理石は英語でマーブル(marble)と言いますがその語源はラテン語の「輝く石」の意味でありマーブル模様とは大理石の模様のことを言います。
大理石とは中国雲南省にかつてあった大理国という所で産出されていたものが有名だったことから日本では大理石と呼ばれています。
大理石と言っても国や産地によってその特性や色も質も違うのですがひとくくりで大理石と言っているだけです。
又、墓石で使用されている「御影石」は兵庫の御影地区で産出されていた花崗岩の「御影石」のことを本来言うのですが、墓石で使用される花崗岩、閃緑岩、斑レイ岩、安山岩など全てを御影石と呼んでいます。
したがって本来国産の福島産や茨城県産も中国産もインド産も正式には御影ではありません。墓石で使われている石全てを通称「御影石」又は「ミカゲ」と呼んでいるだけに過ぎないのです。
兵庫県で産出される本物の御影石は区別するために「本御影石」と呼んでいます。偽物ではなく本家本元といったところでしょうか。東京と神奈川を結ぶ小田急線沿線には「厚木駅」と言う駅がありますが、その隣には「本厚木駅」があるのと同じような感じでしょうか。
陶器の瀬戸物も元はと言えば愛知県の瀬戸市で作られていた焼物を指す言葉だったのですが、いつの間にか日本の焼き物全ての事を瀬戸物と呼ぶようになった(関西以西では唐津物と呼ぶ)のと同じ理屈です。
大理石と御影石の違い
大理石も御影石も同じ岩石ではありますが、その生成経過が異なっています。
岩石には大きく分けて堆積岩と火成岩と変成岩とに分かれます。
火成岩は深成岩と火山岩とに分かれ深成岩は地下深く圧力を受け固まった岩石のことで花崗岩(御影石)、閃緑岩、斑レイ岩は深成岩に分類されます。
火山岩は地表に噴出されたマグマが冷え固まったもので安山岩や玄武岩などをいいます。安山岩も墓石で使われますが、花崗岩の方がより硬いと言えます。
対して大理石は石灰岩が地下のマグマなどの熱により再結晶化した変成岩の一種のことを言います。大理石のあの美しいマーブル模様は再結晶化する際に起こるもので、その性質は花崗岩などに比べるとかなり柔く吸水率(水の吸いやすさ)が高いと言う事です。
大理石と御影石の硬さ
鉱物の硬さの尺度を表すものにモース硬度と言われるものが使われます。これは石自体の硬さを示すものではなく表面のキズ付きにくさを数値化したもので1から10まで分類し鉱物として最も硬いダイヤモンドが10となります。
大理石はモース硬度3で絶対硬度が9、花崗岩はモース硬度6で絶対硬度が72となります。
モース硬度言われても何のことかわかりませんので身近なもので説明しますと
つまりモース硬度3の大理石は人間の爪では表面に傷がつきませんが、銅製硬貨ではキズが付くと言う事です。
同じようにモース硬度6の花崗岩は人間の爪や銅製硬貨、ナイフの刃では表面に傷がつきませんが、鋼鉄のやすりではキズがついてしまうのです。
大理石と御影石(花崗岩)とでは遠目では色や模様位しか違いが無いように見えますが、絶対硬度は全く違うのです。
大理石で造られた歴史的遺産
世界各国では大理石(マーブル)を使った歴史的な彫刻や建造物があります。
ギリシャのパルテノン神殿です。真っ青な青空に白く輝くパルテノン神殿に使われているのはアテネで産出されるペンテリコン大理石が使われています。「ヘンテコリン」ではありませんよ。
こちらはローマを代表する観光地であるコロッセオです。元々は東京ドームのように円筒形をしていたのですが、使用されていた大理石が貴族のお屋敷や教会などの建築資材として持ち出されたことによってあのようなイビツな形になったのですね。よく見ると相当風化している様子が修復跡から見られます。
サモトラケのニケ像は女神ニケを題材とした彫像でありその力強さは大理石ならではの繊細な彫刻が特徴的です。
大理石の特徴
このように大理石はその性質から柔らかく加工しやすい反面、御影石に比べ風化しやすい特徴があります。
加工がしやすい
大理石は石灰岩が地下のマグマの熱で再結晶化したものでありその主成分は炭酸カルシウムです。
身近なものでは学校の授業などで黒板に字を書くチョークは炭酸カルシウムが主成分となっています。熱弁をふるいながら授業をする先生が黒板に字を書く時思わず力が入り過ぎてポキッとチョークが折れてしまう事ってありましたよね。
もちろん大理石がチョークと同じくらい柔らかい訳ではありませんが主成分である炭酸カルシウムはそのような特徴があると言う事です。
お墓には不向き
日本でも大理石は産出されて建築材料や彫刻、工芸品としても使われていますがその多くは粉砕され工業原料(炭酸カルシウム)として利用されています。
大理石の主成分である炭酸カルシウムは塩酸などの強酸に反応すると二酸化炭素を放出してしまい表面が荒れてしまう為、大理石を掃除する時酸性洗剤は厳禁です。
ヨーロッパなどでは酸性雨が問題になって森林が大規模に枯れた事もありましたがそれは日本でも同じことで、近年は特に隣国のPM2.5の影響から酸性雨の度合いが更に増していると考えられています。
一般的にPH5.6以下が酸性雨とされている中、日本の主な都市での平均PHは5.0を切る日もあることから日本も欧米化している現状、雨は酸性洗剤のようなものです。
お墓は通常屋外にありますので天気の悪い日は雨が降り注ぎます。大理石でお墓を造った場合酸性雨の影響で年々石表面の光沢が無くなることが容易に推測されます。
キレイなのはほんの最初の数年だけであり、それがわかっていてあえて大理石を勧める石屋さんは少ない為必然的に大理石の墓石は少ないと言う訳です。後々クレームや交換になりたくないですからね。
日本人は恒久性を望む
ヨーロッパ特にコロッセオがあるイタリアでは繊細で美しいとされるビアンコ・カラーラ(BIANCO CARRARA Marble)が産出され世界的にも特に有名な大理石です。
思わず画像を出すのをためらってしまうあの有名な彫像ミケランジェロのダビデ像もこのビアンコ・カラーラを使用しているほど昔も今も採掘されているキングオブ大理石です。
イタリア人の気質として最初キレイならいい。今が良ければいいという楽観的な所が大いにあり、ボロボロになったらまた修復すればいいんじゃね?的な考え方で歴史的建造物はもちろんお墓にも大理石が当然のように使われています。
しかし日本人は最初だけでなく恒久的、不変なものを望む傾向が強いのです。
お墓は特に代々長年に渡って伝えるものになりますので出来るだけ経年変化が少ない石である事を望むことから、変成岩で柔らかい大理石より花崗岩である御影石がお墓には最適であると思うのは当然であり、日本には大理石のお墓はめったに見ることは出来ず、圧倒的に御影石が多い訳なのです。
どうしても大理石でお墓を作りたい
どうしても大理石でお墓を造りたい場合は最初からコーティング加工をし、小まめに掃除を行う必要があります。ほったらかしでは表面に艶がなくなってしまいますので、定期的にコーティングなどのメンテナンスをする事が大理石をいつまでも美しく保つのに必要となります。
逆にそのような小まめなメンテナンスが出来ない方は大理石でお墓を造るのは止めておいた方が良いと言う事です。
以上がこの記事で伝えたかった事となります。
最後までご覧いただきありがとうございました。
御影石でオススメの石はどれ?の記事になります。建墓をお考えの方は参考にしてみて下さい。
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